コラム
2026年8月7日
AYA世代のがん患者さんへの支援について
AYA世代とは、思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult)を指し、一般に15歳から39歳頃までの世代とされています。この世代のがん患者さんは、治療と同時に、就学・就労、恋愛・結婚、出産・育児、経済的自立など、人生の大切な節目に向き合っていることが少なくありません。そのため、病気そのものへの治療に加え、一人ひとりの生活背景や将来を見据えた支援が重要となります。当院では、AYA世代の患者さんを多く診療する乳腺外科が中心となり、院内のAYA世代支援体制の整備を進めています。乳腺外科では、手術や薬物療法だけでなく、整容性への配慮、妊よう性温存への対応、治療と仕事の両立支援など、AYA世代に特有の課題に日常診療のなかで継続して向き合ってきました。こうした経験をもとに、女性診療科、神経精神科、看護部、医療ソーシャルワーカー、薬剤部、患者総合支援センターなど多職種と連携し、患者さんを総合的に支える体制づくりを進めています。具体的には、妊よう性、学業や仕事、心理面、経済面などについて早期に確認できる共通の支援項目を整備し、必要な支援へ速やかにつなげる仕組みの構築に取り組んでいます。また、妊よう性温存に関する迅速な相談体制、就学・就労支援、信頼できる情報提供、同じ経験を持つ患者さん同士が支え合うピアサポートの充実にも力を入れています。AYA世代のがん医療では、治療の成功だけでなく、その後の人生を見据えた支援が欠かせません。当院では、治療後も長期的な視点で患者さんを見守り、生活の質(QOL)を大切にしながら、その人らしい生活と治療の両立を支える医療を目指しています。乳腺外科で培ってきたAYA世代支援の取り組みを院内全体へ広げ、がん種を問わず、若い世代の患者さん一人ひとりに寄り添う支援を今後も進めてまいります。
小児・AYAサポートチームより:患者さん・ご家族のみなさまへ
当院では、患者さん⼀⼈ひとりの「これからの⼈⽣」をより⼒強く⽀えるため、診療科や職種の垣根を超えた「⼩児・AYAサポートチーム」を結成しました。
がんという病気に向き合うとき、頭に浮かぶのは治療のことだけではないはずです。学業や仕事、ご家族のこと、将来への不安やこれまで思い描いていた夢、⽇常のちょっとした楽しみまで、さまざまな思いや悩みを抱えていらっしゃることと思います。病気の治療に取り組むことはもちろん⼤切ですが、それと同じように、⾃分らしい⽣活を続けていくことも⼤切です。
「まだ悩みがうまく整理できていない」「こんなことを相談してもよいのだろうか」と感じる場合でも⼼配はいりません。⼩さなことでも構いませんので、困ったときや気になることがあるときは、⼀⼈で抱え込まず、がん相談⽀援センター(1階①相談窓⼝)へお気軽にご相談ください。私たちは、患者さんやご家族が安⼼して治療や⽣活に向き合えるよう、⼀緒に考え、サポートしていきます。
※大阪公立大学医学部附属病院 情報誌「そよかぜ」第56号(2026年6月発行)より一部改変して転載