人工腎部

人工腎部

基本情報

当院人工腎部では透析療法や腎不全外科手術(内シャント、人工血管、PTA、透析アミロイドーシス関連症手術、二次性副甲状腺機能亢進症手術、腹膜透析)、アフェレシス療法を得意分野としています。また、毎年多くの末期腎不全の患者さんの透析導入(血液透析・腹膜透析)や色々な疾患の手術等の治療目的で入院された患者さんの透析治療、急性腎不全の治療やアフェレシス治療を行っております。腎不全関連手術では日帰り手術も数多く行っており、エキスパートによる低侵襲で成功率の高いより短時間での手術を行っております。また、バスキュラーアクセスの血管内治療も多数行っております。アフェレシス療法に関しては難病指定の疾患を含め様々な病態に対し血漿交換、二重濾過血漿交換療法、血漿吸着療法、顆粒球除去療法、白血球除去療法、LDL吸着療法、腹水濾過濃縮再静注法、末梢血幹細胞採取等を、より低侵襲で効率的な治療を目指して行っており、西日本でも有数の治療経験を有しております、また、最近では一部日帰り治療も行っております。国内外で学会報告や論文発表活動、学会事務局、研究会事務局運営活動も積極的に行い、最新知見の集約拠点としても活動しています。

診療科の特色

腎不全治療において、透析専門医、腎臓専門医を有し腎臓内科と連携し、腎不全の予防から血液透析・腹膜透析まで含めた腎不全治療を行っております。腎不全領域の医療・学術ともに全国でもトップクラスの水準を誇り、多くの透析専門医・腎臓専門医を輩出しております。また、大阪府下での透析治療に関しては中心的な役割を担っております。さらに、日本アフェレシス学会の認定施設である本院は、血漿交換療法専門医・認定技士を有し、院内の各科と連携し様々な疾患に対しアフェレシス治療を積極的に行っております。

社会的ニーズと今後の展望

腎不全外科とは、腎不全にならないような外科的な防御、そして不幸にもなってしまってからの治療を外科的にも内科的にも包括的に行っております。昨今、慢性腎臓病の有病率は増加している現状を背景に日本の透析患者数は増加しており、現在では人口の約400人に一人が透析を受けている現状があります。当科では1966年より透析療法に取り組み、早い時期より最新のオンラインHDF等も導入しております。そして、近年増加傾向にあるリスクの高い循環器疾患に対する心臓の手術の患者さんや脳卒中の患者さん等への透析治療も数多く行っております。また、手術療法に関しては、最新の透視装置や超音波検査装置を備えより成功率の高いスピーディーな外来治療を提供しております。そして大阪府下の多数の関連病院と連携してテーラーメイドな治療の提供を可能としております。当院は、平成30年11月から大阪府より難病診療連携拠点病院の指定を受けておりますが、その中でもアフェレシス治療を有する疾患は多く、今後、府内の拠点病院等とネットワークを形成し、難病の患者さんの治療をよりスムースに行う事に尽力してゆきます。当院ではより低侵襲な血漿交換にこだわり、2015年より選択的血漿交換を積極的に取り入れており経験数としては日本でもトップクラスです。

認定施設

  • 日本泌尿器科学会
  • 日本透析医学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本アフェレシス学会
       

疾患・治療実績

人工腎部では血液浄化療法だけではなく、腎不全患者に起こる合併症に対する手術及びバスキュラーアクセス関連の手術を担当している。最近の手術件数では副甲状腺摘出術件数が保存的な治療の進歩に伴い減少している。また、内シャントの初回作製手術の手術時間の中央値は19分と患者さんへの負担が少ないように手術を施行している。

  2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
内シャント作製術 57 51 46 65 42
経皮的血管拡張術 64 66 64 56 74
人工血管植え込み 3 3 3 3 1
人工血管抜去 1 1 0 0 2
シャント瘤 3 3 3 3 4
内シャント閉鎖 6 8 8 5 0
副甲状腺摘出術 13 5 2 3 4
CAPDチューブ挿入 4 7 2 4 3
CAPDチューブ抜去 5 7 4 2 3
手根管開放術 3 7 4 6 0
ばね指根治術 2 1 9 6 1
動脈表在化 0 0 2 0 1

主な検査機器・設備

  • 血液透析装置(on-line HDF対応) 12台 
  • 多目的血液浄化装置 3台 (KM-9000:1台、ACH-Σ:3台、TR-55X:1台)
  • LDLアフェレーシス装置 1台 (MA-03)
  • 人工炭酸泉装置 1台 (Carbomedica)

スタッフ紹介

氏名 役職 認定資格 主な専門分野
武本 佳昭 部長
  • 日本泌尿器科学会専門医・指導医
  • 日本透析医学会専門医・指導医
  • 慢性腎不全一般
長沼 俊秀
  • 日本泌尿器科学会専門医・指導医
  • 日本透析医学会専門医・指導医
  • 慢性腎不全一般