感染制御部

感染制御部

基本情報

業務内容

感染防止対策の推進のために、以下の業務を行っています。
また、連携病院と地域における感染防止対策の推進にも取り組んでいます。

  • 感染防止対策に関する教育・研修
    新入職員に対し入職時研修を、看護師に対しラダー研修(レベルⅣまで)を実施。手指衛生教育には、AIを用いた解析ツールを用いて、新たな手法で職員教育に取り組んでいます。
    全職員対象に外部講師を招聘して年2回、内部講師による研修を年2回程度、その他WEB研修などを実施し感染対策に対する知識の向上、最新の感染対策について情報共有を図っています。

  • 感染症発生時の対応
    感染制御部医師をはじめとするICTチームで外来、病棟スタッフに適切な助言・指導を行っています。

  • 感染の発生状況調査とその対策
    毎朝ICTミーティングを開催し、院内感染サーベイランス(感染監視材料からの検出菌、MRSA検出状況、その他の耐性菌の発生状況、血液培養からの検出菌報告、広域抗菌薬新規使用一覧)情報を共有しています。耐性菌や感染監視材料からの検出状況は速やかに臨床側へ報告を行っています。

  • 院内における広報活動
    手指衛生、感染対策啓発のポスター作成、広報誌等を発行しています。毎月1回ICTニュースを発行し、針刺し切創事故の発生状況、血液培養の2セット採取率等の報告を行っています。インフルエンザ等流行性感染症発生時期は、ポスターを掲示し患者さんにも適宜情報提供しています。

  • ICT 活動(Infection Control Team:感染制御チーム)
    毎週、各部署の感染対策マネージャーとともにICTラウンドを実施しています。ICTラウンドでは、手指消毒や個人防護具の着脱手順や環境整備状況などを確認しています。毎月ICT会議を開催し院内外の感染症情報の周知、情報共有を図っています。また、最新の情報をもとに感染対策マニュアルを更新し、感染対策の実践につなげています。

  • 院内感染症コンサルト
    各診療科等からの依頼に基づき感染症の治療や感染対策等総合的な感染症コンサルトを行っています。

  • AST活動(Antimicrobial Stewardship Team:抗菌薬適正使用支援チーム)
    患者さんへの抗菌薬の使用状況を確認し適切な感染症治療のサポートを目的に取り組んでいます。また、血液培養陽性例には全例診療支援を行い、毎週火曜日には血液培養陽性患者、長期抗菌薬使用患者の情報を多職種によるチームで検討し病棟ラウンドを行っています。抗菌薬の適正使用に向けた取り組みを継続的に行っています。

  • 地域医療機関との連携活動
    2020年から新型コロナウイルス感染症重症患者受け入れ医療機関として、多くの患者さんを受け入れてきました。国内の流行がピークの時期には、一般患者さんを対象とした発熱外来を開設し、全職員で体制を整備してきました。
    地域連携としては、2019年度から大阪市保健所と協力し大阪市内の医療機関相互の感染症対策の連携を図るべく大阪市感染対策支援ネットワーク会議(OIPC:Osaka city Infection Prevention and Control)を立ち上げ、市内医療機関に対する支援活動を開始しました。
    当院は、大阪市感染対策支援ネットワーク南部ブロックの幹事施設として、感染対策向上加算1・2・3・外来届出施設と連携し、合同カンファレンスや相互チェック、地域サーベイランスなどを行っています。合同カンファレンスは定期的に年4回開催し、地域全体の感染対策向上に取り組んでいます。感染症のアウトブレイク発生時など、感染症の相談や訪問支援活動なども実施し、地域における感染症防止対策に取り組んでいます。

部門の特徴

  • 電話一本でいつでもどこでもすぐに対応できるように、チーム内で課題を共有し、よりよい感染症対策を提供できるよう協力して取り組んでいます。

  • 毎日、感染監視材料からの検出菌情報、耐性菌検出状況、特定抗菌薬使用状況など全員で情報共有し、各診療科への抗菌薬の提案、指導・相談へのアドバイス等のICT活動を行っています。

  • 抗菌薬適正使用支援チームでは、血液培養陽性全例介入と抗菌薬長期使用例について病棟ラウンドを実施し、菌血症の死亡率低下ならびに緑膿菌の感受性回復、抗菌薬の使用日数の短縮につなげています。また、年度ごとのアンチバイオグラムを作成し適正な抗菌薬使用に努めています。感染対策・感染症診療のコンサルトを行い、直接病棟に伺って主治医や看護師に感染症の診断と治療、感染対策についてアドバイスを行っています。

  • 主な検査機器・設備

    • POT(PCR based Open reading frame Typing)法による遺伝子解析
      POT法を用いた分子疫学解析により最先端の院内感染対策を行っています。従来の検査より簡便で、迅速に結果が判明する為、早期にフィードバックが可能になります。MRSAや耐性緑膿菌等新規検出例の全例にPOT 法を実施し、院内伝播の拡大防止に活用しています。

    • マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)の導入
      2019年に微生物検査室にMALDI-TOF MS(ブルカー・ダルトニクス社製「MALDI Biotyper」)による細菌同定法を導入し、迅速な結果報告を行うよう努めています。

    • BDマックス全自動核酸抽出増幅検査システム、CFX96リアルタイムPCR解析システム、GeneXpertシステム、FilmArrayシステムおよびGENECUBEの導入
      複数の遺伝子検査機器を用いて、精度の高い新型コロナウイルスの遺伝子検査を行っています。また、新型コロナウイルス以外にも、院内および地域医療における感染症診療支援を目的として、遺伝子学的手法により病原微生物の検出や同定などを行っています。

    ホームページ

    臨床感染制御学:http://www.med.osaka-cu.ac.jp/infectioncontrol/
       

スタッフ紹介

部長 掛屋 弘
副部長 柴多 渉
井本 和紀
副主幹 仁木 誠
主査 藤田 明子
主査 岡田 恵代
主査 明堂 由佳
藤井 昭人
西浦 広将