放射線科

基本情報

放射線科では、専門医による画像診断、画像診断技術を応用した治療（IVR: interventional radiology）を行っています。 画像診断は、MRIとCTの検査数が年間6万件を超えており、全国の公立大学の中で群を抜いて多い検査数を行っています。画像診断の質についても、精度の高いものを維持するため、日夜努力しています。
IVRは、カテーテルや穿刺針などを用いて画像ガイド下に行う低侵襲的治療で、「切らない手術」とも言われています。 肝細胞癌に対する動注塞栓術やラジオ波、また門脈圧亢進症性疾患（肝性脳症、難治性腹水、孤立性胃静脈瘤）の治療は、国内でも有数の患者数を経験し旗頭的立場にあります。 心臓血管外科とともに、胸部や腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術を行っています。末梢動脈閉塞性疾患(PAD)や腎動脈狭窄症に対する血管形成術、内臓動脈瘤に対するコイル塞栓術、肺腫瘍に対するラジオ波焼灼術、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術、 デンバーシャント留置術、腹腔神経ブロック、リンパ管造影（塞栓）術、外傷性臓器出血に対する塞栓術、CTガイド下生検・膿瘍ドレナージ、下肢静脈瘤の焼灼術、多発性嚢胞腎の動脈塞栓術等の治療手技も積極的に手掛けています。

• MRI・CT・血管造影など最新検査機器を用いた画像診断
• 画像診断技術を応用した先進的な低侵襲治療（IVR:＝画像下治療）

診療（初診等）のポリシー

IVRについては、公立大病院各科からのみならず、他の医療機関からの依頼を基に、専門的な検査・診断や治療を行っています。難治性の門脈圧亢進症疾患、末梢動脈閉塞性疾患、内臓動脈瘤、CTガイド下生検などを積極的に診療しています。 IVR外来を受診する際には、依頼書（診療情報提供書〈紹介状〉、検査結果、レントゲンフィルム等）が必要です。CT・MRIなどの画像診断は、公立大病院各科からの依頼のみをお受けしています。

外来受付時間

※初診のときは、外来診察担当表をご確認ください。

医局のホームページ

放射線科：https://ocu-radiology.jp/

認定施設

• 放射線科専門医総合修練機関（日本医学放射線学会認定）
• 日本IVR学会専門医修練施設（日本IVR学会認定）
• 胸部・腹部ステントグラフト実施施設（ステントグラフト実施基準管理委員会認定）
• 浅大腿動脈ステントグラフト実施施設（浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会認定）

疾患・治療実績

当科の得意分野

• 画像診断一般（特に脳・頭頸部・脊椎、胸部、腹部・骨盤、骨軟部）
• 肝腫瘍、末梢動脈閉塞性疾患、門脈圧亢進症（難治性腹水、胃静脈瘤、肝性脳症、血小板減少症など）、腹部大動脈瘤、小肺癌、内臓動脈瘤、子宮筋腫、下肢静脈瘤、多発性嚢胞腎に対するIVR

紹介のポイント

血管造影に関しては短期入院にて血管造影併用CT検査を含め、詳細な診断を行います。
IVRに関しては、対象疾患が上述に示すごとく多岐にわたっていますが、主な治療法を簡単に述べると、①塞栓物質を用いて血管を塞栓する、②バルーンカテーテルやステントを用いて血管を拡張する、③カテーテルから薬剤を注入する、④経皮的に病変を凝固・焼灼するとなります。細かな適応は病変の広がりや患者さまの状態によって決まります。 外科的治療が困難なためにIVRが選択される疾患もありますが、IVRの方が治療法として優れたものも存在します。
また、専門外来として火曜（血管系）、水曜（胃静脈瘤・下肢静脈瘤）、金曜（肺RFA ）を設けています。
CT・MRIなどの画像診断については、公立大病院各科からの依頼のみを受けており、他の医療機関からの直接のご依頼はお受けしておりません。

治療医実績・理念等

頭頚部、心臓以外の血管造影にかかわる検査・治療は、入院診療科にかかわらずほとんど全て放射線科が行っています。治療法が複雑な患者さまは放射線科病棟に入院のうえ治療を行っていますが、内科や外科病棟に入院したまま治療をおこなう場合も多くみられます。

対象疾患

• 画像診断、IVRに分けられます。
• 画像診断は、３次元画像や機能画像などの最先端の技術を駆使し、MRI・CT・血管造影・PET・RIなど画像診断全般について関与しています。
• IVRは、カテーテルや穿刺針などを用いておこなう低侵襲的治療で、「切らない手術」とも言われています。肝細胞癌をはじめとする腫瘍性病変に対する動脈塞栓・抗癌剤動注・経皮的ラジオ波焼灼術、閉塞性動脈硬化症に対するステント留置・血管形成術などを行います。ほか、難治性腹水に対する経静脈的肝内門脈静脈短絡術（TIPS）や胃静脈瘤に対するカテーテル治療、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト留置術、肺腫瘍に対するラジオ波焼灼術、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術、椎体圧迫骨折に対する椎体形成術などの最先端の治療手技も積極的に手掛けています。

主な対象疾患

• 肝細胞癌
• 腹部大動脈瘤
• 子宮筋腫
• 転移性肝癌
• 内臓動脈瘤
• 肺癌
• 難治性腹水
• 動静脈奇形
• 転移性肺癌
• 胃静脈瘤
• バッドキアリ症候群
• 転移性骨腫瘍
• 猪瀬型肝性脳症（門脈大循環短絡）
• 上・下大静脈症候群
• 末梢動脈閉塞性疾患
• 腎血管性高血圧症
• 深部静脈血栓症
• 下肢静脈瘤
• 多発性嚢胞腎

治療方法

• 経カテーテル的動脈塞栓術
• 大動脈ステントグラフト留置術
• 経皮的生検術
• 経カテーテル的動注化学療法
• 動脈瘤コイル塞栓術
• 経皮的エタノール注入療法
• 経皮的リザーバー埋め込み術
• 血管内異物除去術
• 経皮的ラジオ波焼灼術
• 経皮的バルーン血管形成術
• 経静脈的肝内門脈静脈短絡術
• 血栓溶解療法
• 経皮的血管ステント内挿術
• 経皮的胃静脈瘤塞栓術
• 下大静脈フィルター留置術
• 経皮的門脈 大循環短絡路塞栓術
• 子宮動脈塞栓術

検査・診断方法

• 動脈造影検査
• 血管造影併用CT検査
• MRI検査
• 静脈造影検査
• 腹部超音波検査
• PET検査
• 経動脈性門脈造影検査
• CT検査
• 核医学検査
• 経皮経肝門脈造影検査
• 3D-CT検査
• 消化管透視検査

主な手術や処置の件数（2023年度）

スタッフ紹介

外来担当表