ごあいさつ

拠点病院事業責任者 河田 則文大阪府は肝癌死亡者数が全国1位(2006年度、男性2,058人、女性956人)であり、肝癌発症に直結するB、C型ウイルス性肝炎対策が喫緊の医療課題です。 特に、大阪市内や大阪府南部の市町村における単位人口あたりの肝癌死亡率は全国平均を大きく上回っており、肝臓病専門医療機関とかかりつけ医がネットワークを構築して肝発癌予防対策をおこなうことが必要です。
 2007年1月26日に報告された「都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドライン」の「肝疾患診療連携拠点病院」構想に基づき、大阪公立大学医学部附属病院は2008年7月10日付けで大阪府の拠点病院の一つとして指定されました。
 当院は「市大病院」の名称で親しまれておりますが、かねてから肝疾患診療に力を入れており、院内には14名の日本肝臓学会専門医や指導医を有し、インターフェロン療法や肝癌に対する治療を内科、外科、放射線科などの密接な連携のもとで積極的に行っております。医療連携のための講演会や医療従事者(看護師、薬剤師、栄養士)が参加できる勉強会を定期的に開催しています。また、患者さんに対する肝疾患相談支援センターが設置され、「市民公開講座」や「肝臓病教室」を通じて啓蒙活動や最新の肝疾患医療情報の流布にも努めております。
 今後さらに、かかりつけ医、肝疾患に関する専門医療機関との密接なネットワークを構築しつつ、肝癌撲滅に向けて多面的な肝疾患医療を提供して参ります。