プログラム責任者挨拶
プログラム責任者挨拶
プログラム責任者挨拶
大阪公立大学医学部附属病院では独自の歯科臨床研修プログラムを組み、2年間の研修を行っています(通常の歯科研修は1年間)。当院の研修プログラムは単に歯科医師になるためではなく、全人的医療のなかで、口腔領域の専門医を育てたいというコンセプトの下、構築されたプログラムです。自分の将来の歯科医師像を考えて、当院の研修プログラムに興味を持ったなら、ぜひ応募してきてください。
大阪公立大学医学部附属病院
歯科口腔外科 教授
中原 寛和
2年間の臨床研修プログラム
本プログラムでは、1年目で歯科医師としての基本的診療能力を身につける研修を行います。そして、2年目の8か月は医科研修医と同様の医科研修を行います。言うまでもなく歯科の研修とはいえ、医科に関する知識が必要です。今後の日本の高齢化社会での歯科診療においては、歯科医師も全身管理に関する知識は必須となります。それを研修医の段階で勉強しておくことは非常に重要だと考えています。
1. 1年目の歯科研修での研修
歯科医師として、医療面接、患者の全身状態の把握、口腔内外の診査および必要な検査のオーダー、診断および治療方針の決定というプロセスを学びます。そして、智歯抜歯や外来小手術を見学、実践することにより手技を習得します。
さらにう歯処置、レジン修復、義歯の作製、調整など一般歯科医師としての技術も習得します。
2. 周術期口腔機能管理
病院の歯科口腔外科は医科歯科連携という任務も担っています。他科で入院し、悪性腫瘍などの手術を受ける患者の術前後の口腔ケア、化学療法、放射線治療を受ける患者の治療中の口腔ケアを担当します。この周術期口腔機能管理を勉強、実践することにより、他科との連携、多職種との連携の重要性を学びます。全身疾患の治療の流れやその中で必要とされる歯科治療についての知識・手技を習得することができます。
3. 2年目の医科研修
2か月の歯科研修の後、8か月は当院の救命救急科、麻酔科、代謝内科、消化器外科で研修を行います。残りの2か月は歯科口腔外科へ戻り、医科研修で得た新たな知識と、他科での臨床経験を積んだことによる自信をもって、歯科口腔外科の手技に磨きをかけていきます。
医科研修は医科の研修医と同等のプログラムとなっています。
救命救急科では3次救急の現場で救命処置を含めた初期治療を体験し、歯科医師としても必要な緊急時の対応を学びます。麻酔科では歯科口腔外科で行う頻度の高い経鼻挿管を学び、全身麻酔をかける手技、全身管理をより深く把握することを学びます。代謝内科では糖尿病患者の管理などを含めた、内科医の治療方針を経験し、消化器外科では、胃がん、大腸がんの手術に立ち会い、基本的外科処置、輸液管理を含めた術後管理について学びます。
2年間の臨床研修プログラム修了後の進路
当院での歯科研修修了後は、大阪公立大学大学院医学研究科歯科口腔外科の大学院を目指すことができます。大学院生になっても当院の医員として臨床を継続することが可能です。大学院を希望しなくても、前期研究医として当院歯科口腔外科で働く道もあります。いずれも、日本口腔外科学会の専門医取得のために環境を整えています。一方、大阪府内の地域中核病院歯科口腔外科での勤務、一般開業医での診療で活躍している先輩もおり、多様な進路があります。