不適合情報

2023年11月10日

  • 適格基準・除外基準
  • 重大
  • 臨床研究法下の研究

#232301 適格基準・除外基準に関して発生した不適合事例(適格基準違反)

概要

【事案の概要】 
当院が 実施 し ている 特定臨床研究 「G CSF によるもやもや病間接血行再建術の血管新生増強療法 (jRCTs 071220048071220048)」(以下、「本研究」という。)で、新たな患者の組み入れを行わないとなっていたが、今年9月に、除外基準の見落としに関する不適合報告の際に、新たに患者を2名組み入れ本研究が行われたことが発覚した件に関し、9月22日、重大な不適合報告が提出され、10月10日に開かれた久留米大学臨床研究審査委員会で審議された。

【経緯】
2023年 9月 4日 6番目の対象者の方(識別コード 006 さん)に同意をいただく。
2023年 9月 5日 006 さんに手術室で G-CSF 製剤の局所投与を行った。
2023年9月6日 本研究の計画書に沿って、006 さんに2日目のG-CSF製剤の全身投与(点滴静脈注射)を実施。
2023年9月7日 同じく3日目のG-CSF製剤の全身投与(点滴静脈注射)を行った。
2023年9月7日 7番目の対象者の方(識別コード 007さん)に同意をいただく。 2023年9月8日 007さんに手術室で G-CSF製剤の局所投与を行った 。
2023年9月9日 本研究の計画書に沿って、007さんに2日目のG-CSF製剤の全身投与(点滴静脈注射)を実施。
実施後、007さんが、除外基準である、脾腫大に該当していたため 3日目のG-CSF製剤の全身投与は中止 した。
この除外基準の見落としという重大な不適合は、第一報としてすでに報告し 9月12日の CRBで審査され、 HPでも その情報は公開された。

【原因】~重大な不適合報告書より~
追加
2 名 識別コード 006, 007) の内訳として、 006 は 001 と同一人物であり安全性という面
では保証されていると考えてしまったこと、001の際の結果が良好であったため被験者本
人からも強い要請があったことから追加で組入してしまった。
007に関しては若年であるがもやもや病の病状が悪く脳梗塞を繰り返しており社会復帰が
延期している状態であった。本人・家族共に可及的早期での治療を希望されており、少し
でも改善してほしいという気持ちから研究の説明をしてしまい、強く希望されたために組入してしまった。

対応状況

【審査結果 】 議事摘録より~
1 )新たな被験者の組み入れは認めない。
2)6例目、7例目を含め、投与済の被験者の安全性の観察は、研究計画書の通り1年間おこなうこと。

是正措置

当院といたしましては、今回の件を深く反省し、同様の事案の再発防止を徹底するため、可及的速やかに再発防止策を実施できるよう体制整備に着手いたしております。

さらに適切な対策を講じながら、当院の医学、医療における社会的な使命に基づき、倫理性・安全性・信頼性・科学性を担保しつつ臨床研究が遂行されるよう細心の注意を払い、当院の研究体制に対する信頼回復に努めてまいります。 なお、当研究の対象となったお二人の患者様には現時点で健康被害はございませんが、最初に組み入れされた患者様含め研究責任医師をはじめ研究を担当した医師が今後も密に連絡をとりつつ、体調変化などに関し、細心の注意を払って1年間の観察期間を継続して参ります。 患者様、ご家族様、ご関係者の皆様に、ここに謹んで深くお詫びを申し上げますとともに、本研究の実施に関する審査機関である、認定臨床研究審査委員会からの審査結果通知、および、当院からの経緯報告についてご報告を申し上げます。

引用元

https://www.hosp.kurume-u.ac.jp/medical/section/crc/crc_gpub/to_the_patient/prevent_recurrence.html 
https://www.hosp.kurume-u.ac.jp/medical/section/crc/crc_gpub/to_the_patient/kievis0000000fht-att/d5i8fl00000076cv.pdf