不適合情報

2023年6月2日

  • 審査委員会書類の不備・未提出・遅延
  • 重大
  • 医学系指針準拠の研究

#231602 倫理審査委員会審査書類の不備・未提出・遅延に関して発生した不適合事例

概要

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者を対象とした、アプリケーションによる継続的介入の前向き単群オープンラベル試験[jRCTs032180372]で生じた不適合事案 
【経緯】 
当該研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(以下「旧倫理指針」という。)」に準拠する研究として、平成30年2月7日、研究代表機関の倫理審査委員会にて承認され、平成30年7月2日に、当院を研究分担機関として追加する変更申請が当該委員会にて承認された。当院での研究開始にあたり、NCGM-倫理審査委員会での承認及び研究機関の長(NCGM理事長)の許可が必要であったが、同時期は臨床研究法施行後の経過措置期間中で特定臨床研究への載せ替えの申請準備が進められており、当院の研究責任医師Aは、当該研究が特定臨床研究として一括審査が行われていると誤認し、当院での必要な手続きを行わないまま被験者1例の組入を行った。 その後、当該研究は臨床研究法に準拠した特定臨床研究へ載せ替えが行われ、当院研究責任医師Aの異動に伴い、後任の研究責任医師Bへ変更が行われた。 令和4年8月、NCGM全体の研究手続きに係る自主点検作業中、当該事案が発覚した。

対応状況

【対応】 
当該事案が発生した当時は旧倫理指針に準拠していたが、事案発覚時は特定臨床研究への載せ替え後であることから、当院研究責任医師BよりNCGM理事長(研究機関の長)及び当院の病院長(実施医療機関の管理者)並びに研究代表医師へ、臨床研究法の規定に沿った手続きとして当該不適合事案の報告を行った。その後、研究代表医師より当該研究の承認を行ったCRBで審査され、当院で組み入れられた症例について解析対象から除外するようにとの指示を受けた。CRBからの指示事項につき、当院研究責任医師Bより当該被験者に対し事案の説明と謝罪を行い、NCGM理事長及び当院の病院長へCRBの指示事項及び対応について報告した。

是正措置

【再発防止策】 
研究の手続き方法については、既に院内ホームページ等での周知や臨床研究相談での個別相談等により、研究者等が必要な情報を入手できるよう対応しているが、手続きが不明な場合には自己判断せず前述の方法にて確認を行うよう、改めてNCGM職員全体に再度周知した。また、今回の事案は、研究責任医師の異動時に引継ぎが十分行われていなかったことが事案の発覚までに時間を要した一因と考えられることから、職員の異動時期にあわせ、研究組織内での情報共有や必要な手続きが適切に行われるよう、事務局より注意喚起を行う策を講じる。

引用元

https://www.hosp.ncgm.go.jp/news/2023/PDF/20230602.pdf