不適合情報

2019年5月30日

  • 審査委員会書類の不備・未提出・遅延
  • 重大
  • 医学系指針準拠の研究

〇#191501 倫理審査委員会審査書類の不備・未提出・遅延に関して発生した不適合事例

概要

(1)研究倫理審査委員会を未受審のまま観察研究を実施し、成果論文を投稿した研究課題:2課題

①    経緯
•    平成30年3月29日、当センター研究倫理審査委員会事務局が研究終了報告書の調査を行う中で、平成25年度の論文について、論文投稿受理日が倫理審査承認日より前であることが疑われた。
•    また、同年10月15日、当センター研究倫理管理業務担当者が研究成果の確認を行う中で、平成30年度の論文について、論文投稿受理日が倫理審査及び研究実施承認日より前であることが疑われた。
•    これら2つの研究課題について、研究計画者(1人は退職、1人は在職)等に対して事実確認を行った上で、平成31年1月25日に開催された研究倫理審査委員会における審議の結果、倫理指針への不適合の程度が重大であると判断された。
※    上記2課題については、筆頭著者又は責任著者から各論文掲載誌に対して投稿論文の撤回を依頼中である。
•    その後、平成25年度(2013年度)以降の当センターの研究者が関わる論文について、センターにおいて調査を行ったが、同様の事案はないことが確認された。

②    主な発生要因
・    研究者の研究倫理に関する意識が欠如していたこと。
・    論文の共著者である上司が、観察研究の論文に関わる倫理審査に必要な手続きが確実に行われているかの確認が不十分であったこと。

是正措置

・当センターにおいては、本事案への再発防止を図るため、現時点までの調査で判明した事案の概要や現時点で考えられる発生の要因を踏まえ、主として以下の再発防止策を講じているところである。

・今後、外部有識者で構成される第三者委員会において、事実認定と評価、原因分析、再発防止の提言を行っていただくこととしており、その内容を踏まえて、更なる再発防止策を講じていくとともに、関係者の処分を厳正に実施する。

(1)研究実施体制の見直し、ガバナンスの強化
① 研究倫理審査委員会事務局の職員を2名増員し、体制を強化する。(本年4月から実施)
② 臨床研究監査室を設置し、毎年1回、研究倫理指針の遵守状況や研究の進捗状況等を監査する。(本年4月から実施)
③研究倫理審査委員会の外部委員を増員し、医学倫理面の判断をより重視する。

(2) オプ トアウト手続きの明確化
①  オプトアウト手続きが確実に行われるように、研究倫理委員会事務局からオプトアウトが必要な研究全てについてホームページに掲載する手続きを講じることとする。また、掲載したかどうかのチェック手続きを導入する。(本年4月から実施)
②  オプトアウト文書掲載の手続きについて、分かりやすいフローチャートを作成 し、研究を行う全職員に改めて周知する。また、研究を行う全職員が必修の研究倫理に関する講習における具体的説明内容に加える。(本年4月から実施)
③  研究倫理審査委員会未実施での研究実施を防ぐため、上司による指導マニュアルの作成や、臨床研究監査室による監査を実施する。

(3) 職員の意識改革
①    センターが行う研修等に、倫理審査やオプトアウトの必要性等に重点を置いた内容を追加する。(本年4月から実施)
②    新規採用職員のオリエンテーションに倫理研修を追加する。(本年4月から実施)
⑧ このほか、コンプライアンス研修の強化、組織内のセクショナリズムの改善に向けた取り組みを実施する。

引用元

https://www.ncvc.go.jp/topics/190531_press/

https://www.ncvc.go.jp/wp-content/uploads/20190530_press01.pdf

https://www.ncvc.go.jp/wp-content/uploads/20190530_press02.pdf

https://www.ncvc.go.jp/wp-content/uploads/20190530_press03.pdf