不適合情報
2022年10月1日
- 適格基準・除外基準
- 重大
- 臨床研究法下の研究
#221201 適格基準・除外基準に関して発生した不適合事例
概要
「適格性を満たしていない症例の登録」
2021年2月12日、他科から当科に対象者識別番号Bio-64の患者のピロリ菌除菌依頼があった。併用禁止薬であるPPIが紹介元で処方されていたが、臨床上必要がないと考え、紹介元の処方医に臨床上の必要性について確認した。処方元でも継続の必要性は臨床上なく、患者も内服しないことに同意されたため、PPIの内服中止を決定した。同日、本臨床研究の同意を取得し、除外基準(2)の「除菌治療開始の4週間以内に抗菌薬、またはPPIの服用がある患者」には当てはまらないことを確認のうえ、研究登録を行った。しかし、その後も、患者は手持ちのPPIを誤って内服し、研究開始4週間前の時点および、研究期間中も内服していたことが、5月14日の研究終了時に判明した。今回、臨床上必要である治療ではなく患者が誤って内服をしたため、緊急回避のための治療には該当せず、重大な不適合に該当すると判断した。
対応状況
2021年5月24日、研究責任医師から重大な不適合報告書が認定臨床研究審査委員会に提出された。2021年6月7日の認定臨床研究審査委員会で審議され、承認された。また、2021年5月27日の臨床研究管理委員会(以下、管理委員会)に報告された。
被験者に対して、PPIが内服継続となった経緯を確認し、同意取得者から受けたPPI中止の説明に関して理解できていたか確認したところ理解はできていた(手持ちのPPIがあったため内服してしまった)。健康被害がなかったことも確認した。
臨床研究マネジャー会議で共有し、 注意喚起した。
是正措置
是正措置として、除菌治療開始時点や研究期間中に併用禁止薬が処方された場合は、患者に必ず緊急連絡先に申告してもらうように研究開始前の説明を強化することとした。
引用元
臨床研究中核病院に係る業務報告書の公表について 令和4年度提出業務報告書