不適合情報

2022年9月30日

  • 同意取得
  • 期間外の研究実施
  • 非重大
  • 臨床研究法下の研究

#220104 同意取得、並びに期間外の研究実施に関して発生した不適合事例(旧版、未承認版を使用した同意取得、登録期間外の症例登録)

概要

病院長が本院で実施される臨床研究実施の適正性について自ら点検及び評価(以下、自己点検)を実施した結果、以下の事案が判明し、2021/12/2に病院長へ不適合報告を行った。
1)  研究対象者1名からインフォームド・コンセントを得る際に、最新の説明同意文書(Ver1.21)を用いるべきところを、あやまって旧版(Ver1.2)を用いた。使用したPC内に両版が併存していたことが原因と考えられた。

2)  症例登録期間(~2021/10/31)をすぎて、4例の新規症例登録を行った。期間を研究開始日(jRCT公開日)から2年後の2021/12/1までと誤認しており、変更申請(期間延長)をせずに症例登録を継続した。

対応状況

該当するすべての研究対象者に説明の上、謝罪し、再同意を取得した。2022/1/27の特定臨床研究管理委員会における審議で、1)説明同意文書の変更点に研究参加の意思決定に影響を及ぼすような記載がなかったこと、2)症例登録日は登録期間を過ぎていたが研究実施期間内であり、研究対象者から再同意を得る予定であることを確認した。研究対象者に健康被害はなく、かつ臨床研究法および施行規則等に明らかな違反はなかったが、臨床研究の信頼性を軽微に損なう可能性があるため、軽微な不適正事案と判断した。

是正措置

再発防止策は以下のとおり。
1)共有PCから旧版の同意説明文書を削除した。今後、ICの際には研究担当者と担当CRCとで同意説明文書の版をダブルチェックする。
2)症例登録期間を延長した。研究分担機関に本事案について連絡し周知した。
また、本事案は他の研究でも生じうるため、2021/2/15に開催のメール会議にて本院の全診療科/部門の臨床研究マネージャーに周知し、注意を呼びかけた。

引用元

臨床研究中核病院に係る業務報告書の公表について 令和4年度提出業務報告書

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001206456.pdf